経理

ROEは意図的に釣り上げることができる!?ROEを分解してみよう!

以前、株主が企業を評価するための指標として用いているROE(自己資本利益率)についてご紹介いたしました(こちら→ROEとは?約50回の全てのM&Aを成功させているあの企業のROEは?)。ROEは、投資したうちのどのくらいの割合が利益となっているかを明らかにするものでした。

一般的には、国内企業はROEが8%を超えていれば自己資本をより効率よく利用しているということができます(アメリカの平均はなんと15%!)。

しかし!

単純に数値が高いからといって安堵するにはまだ早いのです。

はやいのです。

実はROEはROAと同じく、分解することができます。しかも、分解することによって実は企業が「健全ではない」ことが分かるかもしれないのです…!
キーワードは、「財務レバレッジ」。難しい言葉ですが、仕組みは単純です。

では、何故ROEだけの数値で一喜一憂してはいけないのか、ROEはどのように分解できるのかをご紹介いたします!!

まずは分解

何はともあれ、どう分解できるのかを表してみましょう。

バラ、バラ、バラ。

当期純利益/売上高

なんだか漢字だらけでしたね、、、
分母・分子で相殺できるものがありますので、集約すると当期純利益/自己資本が残ることが分かります。

当期純利益/売上高は売上高純利益率。読んで字のごとく、売上高から最終的にどのくらいの利益が残ったか、その割合です。これは企業の収益力を表しています。

どれだけ売上をあげていても、そこから引かれる費用などが莫大であれば、利益はほんのちょっとしか残りません。こういう場合、売上高純利益率が低くなる事は想像に難くないはずです。

売上高/総資産

こちらは総資産回転率とよびます。ROEに似たもう一つの指標、ROAのご紹介をした記事(ROEより重要なROAとは)にも登場しています。先に読まれていた方は復習ですね。
こちらは、売上高を総資産で割る、つまり総資産をどれだけ効率よく回せたかということがわかります

飲食店では、よく「お客さんが何回転したか」ということを一つの指標としていますが、それと近いです。回転すればするほど、資産を効率よく使えているということがわかります。

総資産/自己資本

実は、これが最も重要です。重要すぎて赤字、下線、太字では足りないくらいです。三度の飯の次に重要。

貸借対照表でいうと、自己資本はここ。

当たり前ですが、株主からの資本は返さなくて良いものですので自己資本です。一方、借入などは返す義務が生じる負債ですので、他己資本となります。

さて、総資産/自己資本ですが、名前を「財務レバレッジ」と呼びます。名前や説明などは調べるとたくさん出てきますが、微妙に分かりづらいので、「総資産は自己資本の何倍か」という数値がでてくるということが分かれば良いと思います。

これは、どちらの財務レバレッジの数値が高いでしょうか。

 

答えは左側です。
総資産に対して自己資本が小さければ小さいほど、財務レバレッジの数値は上がります。
これは、逆をいえば「他己資本=負債の割合が大きい」ということです。

つまり、、、

お金を借りれば借りるほど、財務レバレッジの数値が上がるということ。

つまりつまり、、、

この赤枠の数値があがるということは、ROEの数値が上がるということに直結するのです!!

お~、こわっ!

何でも鵜呑みはだめ

これが、「ROEの数値が高いからといって安堵してはいけない」理由です。言い方を悪くすれば、「ROEの数値を釣り上げるために負債を増やす」ということができるからです。
もっとも、近年の投資家でそこに気がついていない人はいないと思いますが…。

このように、正しく分析をして、正しく企業の評価ができるようになれれば良いですね!

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!