中小企業

中小企業とホラクラシー組織の共通点を探る!

みなさんの中小企業のイメージはどのようなものでしょうか。また、実際に中小企業で働いている方々は、ご自分の会社がどのような経営体制だと評価しているでしょうか。

とにかくワンマン経営でトップダウン。社員は経営陣の手となり足となり、時にはメガネや馬にもなるよ。
家族同然とまではいかないけど、それぞれが割と仲良くやっていて結束力は高い方だと思う!
旧態依然としていてとにかく昭和的。紙の電話帳があったり、年配の方は時刻表を本で検索していたり、勤怠管理すら紙で管理してるよ…

どれも、当てはまるところはあると思います。日本の企業の99%は中小企業であるので、まさに企業の色は三者三様、十人十色。
しかし、近年話題になっている「ホラクラシー企業」の要素を持っている中小企業も少なからずあるのではないでしょうか。

今回は、ホラクラシー企業の概要についてご紹介した後に、中小企業がどの部分でホラクラシー企業の要素を持っているのかを、考察してみたいと思います!

ホラクラシーって?

ホラクラシーとは、ギリシャ語のholos(全体)が語源となっており、『weblio英和辞典・和英辞典』では以下の様に記されています。

ホロン《holonic なシステムを構成する, 自律的でありながら相互に協力しあう要素; 人や組織を指すこともあれば抽象的な業務内容のこともある》
weblio英和辞典・和英辞典(https://ejje.weblio.jp/)

これを企業に当てはめて意訳すると、「上司を持たず、全体として協力し合い、業務を推進していく企業体」と捉えられると思います。

ホラクラシー企業の例

2018年9月9日の日経電子版では、ホラクラシー企業についてのトピックがあります。

「朝会を始めまーす」。9月3日午前9時、人材紹介や求人サイト運営を手がけるアトラエの東京・麻布十番にあるオフィス。今週の司会役の社員が大きな声で呼びかけると50人弱の社員が集まった。
 「うちのチーム、営業の動きを少し変えてみます」「月末締めの経費清算など忘れていませんか」。事業ごとに分かれた4つのチームがその週の連絡事項やプロジェクトの進捗を報告していく。毎週月曜日に全社員が参加する通称「朝会(あさかい)」だ。子育て中の社員もインターネットを通じて加わる。
(抜粋)
会社法でどうしても必要な取締役や、CEO(最高経営責任者)、CFO(最高財務責任者)といった役職は置くが、それ以外は基本的に肩書はない。そのため出世・昇進という概念もない。
(抜粋)
ウェブデザイナー、平根由理さん(27)は3年前の入社時、戸惑ったという。「上司がいない。先輩もそうした感じではない。指示はないから、自分でやれることを見つけないといけない」。
『2018年9月9日付 日経電子版』より

上記のように、上司部下の垣根がなく、評価制度も独自のものを用いています。この企業体制がホラクラシー企業です。

「企業」と呼ぶことがはばかられるくらい自由で、自律を促す集合体といえます。

中小企業はホラクラシー企業の要素を持っている!?

では、中小企業のどの部分がホラクラシー企業の要素を持っているのかを考察してみたいと思います。

情報の全体共有

朝礼での売上状況把握

朝礼では、前日までの売上高、売り上げ達成率などが開示されます。また、月初には、前月末の売上高、売上利益率、経常利益率、当期純利益率などが開示される場合があります。

私の勤めている会社は創業から50年以上経っています。旧態依然的といえばそうかもしれませんが、上記のように売上状況やパーセンテージなどの開示は毎日行われます。さらにいうと、それらの資料は誰もが閲覧できる場所に保管されています。

営業会議では全員が商材の売り上げ状況を把握

これはほかの企業がどうしているか知りたいところでもあります。1人に対するノルマの情報のみを与えるのか、小さな単位での売上状況を社員に開示するのか、製品単位・製品グループ単位まで範囲を広げて開示するのか…。

扱っている商品の数にもよりますが、より小さな会社だと、製品単位で売上状況を把握しあい、前年同月比などと照らし合わせたりすることもあると思います。

これらの全体共有により、社員が自分の会社の経営状況を把握し、自分には何ができるかを自主的に考えるきっかけとなります。

柔軟な承認スキーム

役員レベルの人間が近くにいる

見える位置に役員レベルの人間が数名いたりします。そのため、わざわざ会議を設けて話をしない場合は、話がまとまった段階ですぐに役員に承認をもらうことも多々あります。承認スピードが早く、情報共有も逐一行えるため、時代に乗り遅れない意思決定と、社内での情報鮮度のズレを小さくすることができます。

利害関係者が承認者よりも権限をもっている

中小企業は社員が比較的少ないため、社内の業務プロセスを見直す場合などは、利害関係者の意見が最重要視されることがあります。利害関係にない社員も議論に加わる事はもちろんありますが、それはあくまで客観的な視点を取り入れるということです。中小企業は人数が少なく、資金も潤沢にある訳では無いので、必然的にクリティカルに業務を遂行していくのではないでしょうか。

社内横断的な業務

得意な人がやる、希望者がやる

中小企業は人数が少ないため、部署の数も多くありません。大企業がある部署で行う業務も、中小企業にはその部署がない場合があります。

よくある例が、webサイトの管理やセキュリティなど、IT関連の業務です。中小企業でいうところの総務部が適切かと思いますが、総務部よりも詳しい人がほかの部署にいれば、その人が行うこともままあります。

これには一長一短あると思います。会社として最適な選択ができ、社員も部署を限定せず得意なことに力を注げるというメリットはあります。一方で、全体を見た時にパワーバランスにズレが生じてしまう可能性があります。ある分野の業務が特定の社員に偏ってしまい、社員の全体的な成長を実現する事が難しくなってしまう危険も孕んでいます。

部署を限定せずに最適解を見つけていくということは、人数が少ない中小企業的であり、ホラクラシー的であるともいえます。

まとめ

中小企業は、ホラクラシー組織ではありません。むしろ、昭和の匂い漂う、昔ながらの企業かもしれません。しかし、その場で上手くやりくりしなければならない状況に常に置かれているため、ホラクラシー要素も持っていることが分かりました。中小企業のいいところと、ホラクラシー組織の良いところを上手く融合して働いていければよいですね!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!