中小企業

中小企業版『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』(中島聡)

はじめに

中島聡の著書『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』を読了しました。恥ずかしながらこの方を全く存じ上げておりませんでした。

 

 

SNSで『NTTの株価総額が世界一だった時に、Microsoftに転職した理由』という中島聡さんのブログがバズっていたのがきっかけで、この本を読みました。

そして、この本に書かれている時間術を、今働いている中小企業ではどのように導入するべきかということを考えました。

もちろんこの本にも、一般企業に勤めている場合に似た状況を取り上げています(中島聡さんはエンジニアで、営業や総務・経理などとは仕事の仕方が異なるため)。

中島さんの仕事の肝は、『その仕事の8割を猶予期間の2割の時間で何としても終わらせる』というロケットスタート時間術です。本書では、「何としても終わらせる」ということを「20倍界王拳を使う」とユニークに表現しています。締め切りが10日後であれば、2日後までに20倍界王拳で仕事の8割進めるということ。メールもほとんど見ない、誘いも断る。トイレもなるべく行かないそうです。。。

この時間術が前提で、以下のように述べられています。本の編集者が同時期に3冊の編集を抱えている例を挙げています。

複数の仕事が並行している場合は、1日を横に切れ、です。

(中略)

1日を朝・昼・夜の3つに切り分けます。12時間働く場合、それぞれ4時間ずつあります。そうして朝に1冊目の編集、昼に2冊目の編集、夜に3冊目の編集をしていきます。

中島聡『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』

たしかに、中島さんが言うのなら正しいのでしょう(崇拝)が、実際に中小企業の経理・総務の業務を20倍界王拳で行ってみた体感としては、この時間術の使い方をもっと考えなければならないのではないかと感じました。

なぜなら、たくさん中断せざるを得ない状況になるからです。

そこで今回は、中小企業の経理・総務目線で、『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』を読み解いていきたいと思います!

存在する多くの共通点

本書には、中小企業に勤めていても活用する事ができることもたくさんあります。例えば、下記のように。

  • 朝の時間帯を使う
  • 一つのことに集中する(マルチタスクはしない)
  • 納期の2割の時間で8割の仕事を終わらせる

私の勤めている会社でも、やっとフリースペースを設けたので(「働き方改革の一手?レアな仕事「レイアウト変更」をした話」参照)、自分の時間を確保することもできます。

すべてを鵜呑みにする必要はありませんが、どこに活かせそうか、ご自身の場合に当てはめる水平思考をする必要がありますね!!

次々と降りかかるこまごま業務〜20倍界王拳〜

経理にしろ総務にしろ、定型業務とそうでない業務があります。私は毎朝、前日の夕方頃に洗い出したタスクを見て、業務の優先順位を決め、取り掛かっています。しかし、洗い出した以外のこまか〜い業務もたくさんありますので、それらも優先順位を決めつつ都度対応していくことになります。

その場合、一つのタスクに全力を注ぐ「20倍界王拳」は難しいんです。

なぜなら、別の仕事にとりかかる際に生じる「減速・加速」に時間を要してしまうからです。

これは、一般道路を走る時と高速道路を走る時の所要時間やガソリンの消費を例に挙げると分かりやすいと思います。

一般道路には信号があり、赤信号のたびに車は減速、停止し、信号が青になれば発進、加速をします。
仕事も同じく、別の仕事にとりかかる際には今行っているものを一旦収束(減速、停止)させ、新しい仕事を行う際に説明を聞き、理解し、方法を考え、作業に移る(発進、加速)過程があります。ガソリンも余計に必要ですよね。

一方高速道路は信号が無く、速度もほぼ一定ですから、所要時間が短く、無駄なガソリン消費もありません。
大きなプロジェクトをひとつだけ抱えているようなエンジニア(得てして優秀)は、そこだけに全力を注げるため、効率良く仕事を行えるのです。

中小企業の経理・総務(営業もそうだと思います)は毎日のタスクに加え、上司や他の部署からの依頼による業務を抱えると、この減速、加速を何度も行わなければならなくなり、時間を要してしまう上、体力も消耗してしまうのだと思います。

作れないモックアップ

本書には、他の人の仕事が遅れている場合の対処法として、このように述べられています。

人の仕事が終わらなかったときに私がするのは、簡単なモックアップを作ることです。モックアップとは、「完成間近の模型」のことです。

彼は、他の人が作るであろうものを、ダンボールでもなんでも自分で作ってしまうそうです。そうすれば、いざ他の人が作ったものを利用した時に、マイナーチェンジで済むそうな。自分のスキルアップにもなりますし、そのことがきっかけて新たな仕事を担えるかもしれません。

たしかに一理あります。いえ、百理あります。

準備の応用でしょうか。自分ができることを100%する、というのは、このようなことも含まれているのだと思います。パッと私の仕事を振り返っただけでも、もっと完成に近づく準備をする余地があると感じました。

しかし。
モックアップはどのような状況でも作れるわけではありません。

他の人しか持っていないデータをはめ込まなければ完成しないものもあります。データの提出が遅れていたら?予測データを入れることもひとつの手でしょうが、正しいデータを入れて初めて出力する資料も当然ありますので、限界はあります。

それなら、データの提出が遅れないような仕組みづくりをすることを検討するのも一手かと思います。

まとめ

全ての場合に当てはまる完璧術はありませんので、自分の場合はどうか、応用してみるのが良いと思います。本書は「スラック(余裕)」を持つための時間術ともいえますが、急な仕事の依頼や資料の変更などに対応する「スキル」というよりも「時間」をもっておくというのは、まさにその通りかと実体験から感じました。

私の日々の仕事にも、この時間術を活用していきたいと思います!