今日のワッキー

僕の好きな食べ物は何ですか

去年の暮れに友達二人を呼び、食材を買うために近くのスーパーに行った時のこと。鍋を作るための食材を一通り選び終わった頃、おつまみ・お菓子コーナーでお酒のおつまみを探していた。

僕はおつまみ探しには余念がない。
自分が好きなおつまみは当然ある。当然あるが、それが他の3人にハマるとは限らない。でん六の「海味鮮」(えび豆とかかに豆が小さい球のせんべいの中に入ってるやつ)、チーズの味があんまりしないけどしょっぱくて美味しい「チーズあられ」、夜中に食べてしまったら歯磨きしても翌朝口の中に味が残ることがある「ドリトス」のタコス味や「スコーン」のバーベキュー味。これらを我欲に任せて買おうものなら、ひんしゅくを買ってしまう。友達の微妙な顔が目に浮かぶのよ。

周りの目をたまに異様に気にする僕は、このときばかりは無難でいくのもアリ。僕の「無難リスト」は「好きなものリスト」にも属しているので、まさにwin-win。
最右翼は「ベビースターラーメン太麺」チキン味。味も濃くなくシンプルなので、どのお酒にも合う。迷った時はとりあえずこれだと思う。

逆に、自分からはすすんで買わないが、友達が選んでくれるのもいくつかあるよね。じゃがりことかチータラなんかは、スーパーで見ると「気分じゃないなあ」といつも思うけど、食べるととまらない。ぼくの友達には先見の明があるのか。

最近せんべいを意識するようになったのか、その日はせんべいコーナーをじーっとみていた。お酒のお供だから、少ししょっぱくて軽い感じがいいなぁと、物色したところ、歌舞伎揚げが目に付いた。
「あまじょっぱいのもいいな。久しぶりに食べたいしみんな歌舞伎揚げ好きだろうし〜」と、歌舞伎揚げを手に取った。

すると。

「歌舞伎揚げ、好きだよねぇ」
という声。まさか友達がぼくに言ったんじゃあるまいな。
「え?」
「歌舞伎揚げ、よく買うよね」

まさに青天の霹靂だった。頭を歌舞伎揚げで殴られたような衝撃だった。
僕はどうやら頻繁に歌舞伎揚げを買う人間だったらしい。いやあまったく意識していなかったね。無意識な口癖や手グセ、仕草なんかがあるのは承知している。そんなもの誰にだってある。しかし、自分の好きな食べ物を自分で把握していなかったなんて。
しかも、「ひさしぶり」に買う感覚だったんだ。もしかしたら僕にとっての歌舞伎揚げを1週間ぶりに食べることが「ひさしぶり」なのかもしれなかった。自分の感覚を疑った瞬間だった。

ともかく、その日を境にぼくは意識して歌舞伎揚げを買わざるを得なくなったし、今もこうして歌舞伎揚げを食べながら文字を打っている。歌舞伎揚げのせんべい言葉は「自分の常識を疑う」だと思う。歌舞伎揚げ万歳。