今日のワッキー

会社の車を擦った事後〜リベンジ編〜

先日、会社の車を駐車で擦った話をした。あれから数週間たち、僕の月初の業務もやっと落ち着き始めたので、いよいよ修理の見積もりをしてもらいに近くのディーラーに行った。正直トラウマは残ったままだったが、もう26歳なので、泣き言は言っていられない。

いつもの倍の心拍数で出庫した。トラウマになっているので、出庫でまた同じことになったら…と無駄に緊張した。だがひとまず成功。とりあえず心配事の2割は達成だ。残りの8割は言うまでもなく入庫である。

さて、ディーラーに持っていったら、15分ほどで見積もりができるとのことだったので、会社に戻らずにショールームの待合スペースで待つことにした。ドリンクが無料だったが、このあとに待ち構える入庫のせいで一滴も味わえるとは思えず、丁重にお断りした。ショールームのお姉さんは、かしこまりましたと立ち去り、咳払いをふたつしていた。

さて、待っている間、何をしよう。翌日のブログでも書ければ良かったのだが、何度もいうが入庫が待ち構えている。僕に出来る事は、頭に入らないニュースやほぼ日刊イトイ新聞を読む、いや眺めることだけだった。手には既にしっとりと汗がにじみ始めていた。

途中、右手に持つスマホを会社の車に見立てて、どう入庫すれば良いかシミュレーションをすればいいことに気がついた。しかし、26歳がトミカを動かすかのようにしてはならない。決してしてはならないのだ。
態勢を変える仕草をして、その実スマホのハンドルを切った。なるべく正確に切って後進だ。右後方にはあの忌まわしき電柱がある。一旦前進し、再度後進。こうして成功させるのだと自分に言い聞かせた。
あとは自信をもってやるだけだった。駐車時は狭い道路を塞いでしまうので、車が来ても決して焦ってはいけない。

ほどなくして金額が提示された。たっかい。車の修理は高いという事実を植え付けられた。14万って。右後輪部を少し擦って14万。なんとも無慈悲な世界だ。僕の入庫に対するハードルが数段上がった。

さて、どうあがいてもその時はやってくる。僕の2回目の駐車チャレンジが始まった。入庫するための道路に入る際に左折をするのだが、実はその時も気をつけなければならない。電柱が飛び出してきている。そこに気を取られすぎていると、タイヤがマンホールをねじり進む音に非常にびっくりするので注意されたい。

そこをクリアしたのも束の間だった。向かいから車がくるではないか。南無三。後進すると、後方からも車が来た。アーメン。僕は唯一行ける道を進むほかなかった。振り出しだ。だが、入庫前でよかったと思い直すことにした。
会社の周りをくるっと一周し、再度左折。車は来ていない。あとは入庫だ。入庫入庫入庫。これが終わればほどなくして昼食がやってくる。昼食の味を楽しめるかの命運を分ける戦いの火蓋が切って落とされた。

僕は素直だ。擦った時に上司に教えてもらったとおりに入庫することにした。右前方のポールを目印に前進してから、後進で駐車スペースへ。その時に左側部の電柱とそこに付随して斜めに立つ黄色のパイプに注意。と同時に右後方部の閻魔電柱に注意。そしてさらには植木と駐車時を分けるブロックに左後輪に当てないように注意。はいそして前方のポールにも注意ね。

全神経が集中していたその時だった。
左から車がくる。オーゴッド。
焦らない焦らないと、僕は口に出した。焦らない、焦らない。大丈夫大丈夫。後進が限界だったので、一旦前進。そして、再度後進。ミラーを閻魔様にぶつけないように。

後進したところで、来た車は通過してくれた。一安心。そして束の間、再度集中。どこにもぶつけないようにぶつけないように……パスッ。
後輪が車止めに当たった合図だった。いけた。片方の後輪しか車止めに当たってないが、ともかくもいけた。駐車スペースもしっかり守っている。出庫もしやすいだろう。合格だった。歌い出したい気分だった。

外に出て、僕が今入庫した映像を頭の中で反芻した。毎回このように、ゆっくりやるのだ。
電柱から、「おまえに昼食の味を与えてやろう」という声が聞こえた。

そんな調子で、僕の車擦り事件簿は人がとりあえず第二章を終えた。
あとは、今週末にディーラーに車を預け、週明けに取りに行く第三章、四章が待ち構えている。戦いは続く。負けるな!おれ!